すぐには思い出せない
恐らく、早かれ遅かれ、多くの高齢の方々が経験することだろう。
新しい自分に、恐れ慄く。
記憶力の著しい減退。
脳みそキャパ低下。
新しいことが覚えられない。
ほんの少し前のことも、えーっとぉ〜、と、一呼吸して脳みそをギュッと絞らなければ、なかなかすぐには思い出せない。
こんな直前のことも忘れる??と、ワナワナ愕然となる。
で、冷や汗をかきながら、どうにか思い出す。
どうしても思い出せない時は、スマホで調べて答えを見る。
スマホでは見つからない時は、数ヶ月経って、突然思い出して、気になっていたことの辻褄が合ったりする。
すーっと、解けて、溶ける。
例えば、アタマの隅に引っかかっていたキーワード、「小さなサイズのエコバッグ」。
なんだっけ?
誰との話だっけ?
どういう関わりだっけ?
昨年末、気になりながら、年を越した。
年が明けて、次女が我が家に来た時、ミスタードーナツの景品を3種類、出して見せてくれた。
その中に、小さなサイズのエコバッグがあった。
あ、これだ!
これ、これ。
これが、引っかかっていたのだ。
年末に、娘たちとわたしのLINE話題の中で、ミスドの景品の話が、流れの中で、ちらっと出た。
別にどうってことなく、話は終わり、その後も何事もなく時は過ぎた。
ただ、小さなエコバッグ、いいなあ、欲しいなあと、その時のわたしの脳が隅っこで反応したようだ。
だが、それっきり話題にも上がらず、日常ルーティンに埋没し、脳を占めていた小さな引っかかりは、段々薄くなり消えてしまった。
消えているものの、何かを忘れた記憶はある。
問題は、何を忘れたか、忘れたこと。
探しようがない。厄介この上ない。
モヤモヤが残るのみ。
が、次女がうちに現れて、わたしがミスドの景品を目にした途端、モヤモヤが消えた。
やれやれ。
冷蔵庫内の探し物なら、場所は冷蔵庫内に限っているから食品に限定されるが、冷蔵庫以外の全般では、何を忘れたか忘れたなんて、探しようがない。
TVや映画の中のことだったりすると尚更。
全く困ったものだ。
だがしかし、偶然見つかって、ほっとしたものの、また明日にでも別の脳内での紛失探し物が湧き出てくるやも知れぬ。
息をするかのごとく、自然に物事を忘れる。
そして、忘れたことを忘れるのだろう。
自然の流れなら止めようがない。
ま、しかたない。